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平成30年発表 追徴課税783億円!贈与の注意点

生前に自分の財産を整理して、相続人になる配偶者や子どもに贈与しようと考える方も多いでしょう。

相続対策や生前贈与といい、贈与金額によっては、受取側が「贈与税」納めることになります。

また、金銭のやりとりでも市場価格を下回った取引の場合に「みなし贈与」として贈与税がかかるケースもあり、注意が必要です。

贈与は、あげる人(贈与者)が財産を渡したときではなく、もらう人(受贈者)が受け取る意思を示したときに成立します。(民法第549条:贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。)

1年間に110万円の基礎控除を設けて、それを超えなければ贈与税はかからないという仕組みになっています。

生活費は贈与税の対象になりません。条件に当てはめれば110万円以上でも非課税になる特例などもあります。

基礎控除額の110万円は、受贈者ひとりに対しての金額です。複数の人から贈与を受けた場合はその合計金額から110万円を超えた金額に贈与税がかかります。

贈与税がかかる贈与を受けた場合、贈与を受けた翌年2月1日から3月15日までに贈与の申告をして贈与税を納める必要があります。

例えば、父親から100万円、母親から100万円もらった場合、個々の贈与は110万円以下ですが、合計金額が200万円となるため、「200万円 – 110万円 = 90万円 × 税率」が納税額となります。

贈与税の税率は、基礎控除額を引いた後の金額に応じて、下記表のようになります。

出典:国税庁HP No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

また、親などの直系尊属(両親や祖父母など)から贈与を受けるような場合は、下記表の特例税率が適用されます。※受贈者が未成年者(20歳未満)の場合は、一般税率を使用します。

出典:国税庁HP No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

「みなし贈与」とは?

例えば、「贈与に税金がかかるのなら、売買契約として1,000万円の土地を100万円で売る」というような場合に「みなし贈与」として贈与税が課税される可能性が高くなります。

みなし贈与とは、一般的な価格との差額分を贈与したとみなして税金かける制度です。上記の例でいえば、差額の900万円がみなし贈与の対象となり、税務調査がはいったときに追徴課税の対象となるかもしれません。

追徴課税とは、本来の贈与税にプラスして、加算税や延滞税などのペナルティが課されることをいいます。

生前贈与で注意すべき「みなし贈与」のケース

みなし贈与は、意図的か故意かは問われません。気がつかないうちにしてしまっている行為も対象になる可能性があるため、注意が必要です。実際の判断は税務署が行います。

  • 不動産や土地の譲渡…土地などの不動産の売買において、「時価の80%未満」で取引している場合は、みなし贈与に該当すると判断されており、現在の実務の基準となっています。
  • 株式の譲渡…持っている株式を、自分以外の誰かに譲ることを、株式の譲渡といいます。株式の譲渡で、通常の株価に比べて著しく安く譲る行為は、みなし贈与に該当します。
  • 低額譲渡…美術品などの動産を安い金額で譲渡する場合も、みなし贈与に該当する可能性があります。
  • 預金の移動…子や配偶者に一時的に金銭を預けた、という場合も贈与と判断されてしまう可能性があります。預けたことがわかるような証明書や、貸借契約書、贈与契約書などを作成しておくとよいでしょう。
  • 生命保険の名義変更…契約者を配偶者や子に変更すると、みなし贈与に該当することがあります。
  • 債務免除…子どもに貸したお金を返すのを免除する行為も、みなし贈与に該当することがあります。
  • 離婚の財産分与…離婚の際の財産分与の割合があまりにも多額の場合は、みなし贈与に該当することがあります。本来は、財産分与で得た財産には税金がかかりませんが、贈与税などから逃れるために離婚の財産分与の制度を利用した、と判断されることがあるからです。
  • 納税義務の肩代わり…自分以外の納税義務を肩代わりすると、その金額分がみなし贈与に該当します。

相続時精算課税制度とは?

「相続時精算課税制度」とは、相続までに受けた贈与について2,500万円まで非課税になるという制度です。

原則として60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子または孫に対し、財産を贈与した場合が対象となります。例えば、子どもが親から不動産を生前贈与された場合、この制度で贈与税を節税することが可能です。

制度を利用するには、確定申告(贈与税申告)が必要になりますが、ある程度まとまった金額の贈与になる場合は、この制度が利用できます。

ただし、相続の時に相続時精算課税制度で贈与された分も一緒に相続税として課税されることになるため、税金の納税義務がなくなるわけではありません。この制度は、「税金の後払い」と考えるとよいでしょう。 また、相続時精算課税制度を活用した場合、実行者からの110万円まで非課税枠の暦年贈与などは使えなくなるため注意が必要です。

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