自社株の納税猶予制度の改正案(事業承継税制の抜本的拡充)
概要
・後継者が非上場会社の株式などを、先代経営者から相続又は贈与により取得した場合において、都道府県知事の認定を受けたときは相続税・贈与税の納税が猶予及び免除される納税猶予制度があります。今までは、納税猶予制度の活用にあたり、要件が厳しく使いづらいという声が多くありました。
・平成30年の税制改正大綱にて、円滑な事業承継を促進するために10年間の特例措置として、法施行日後5年以内に特例承継計画(※1参照)を作成して認定を受け、贈与・相続による事業承継を行う場合、各種要件の緩和を含む抜本的な拡充が行われる予定です。
ポイント
税負担軽減 納税猶予株式の53% → 全株100%へ
猶予対象者 後継者1名のみ → 最大3名まで拡大
雇用要件 雇用の8割以上を5年間維持しない場合でも、理由書の提出等により要件緩和(※2参照)
贈与者制限 先代経営者以外の方からの株式も、特例承継機関5年以内に贈与等の申告書提出期限が到来するものに限り対象
※1 特例承継計画
認定経営革新等支援機関の指導及び助言を受けた特例認定承継会社が作成した計画であって、当該特例認定承継会社の後継者、承継時までの経営見通し等が記載されたもの。
※2 理由書の提出等
雇用の8割以上を5年間維持できない理由を記載した書類(認定経営革新等支援機関の意見が記載されているもの)を都道府県に提出しなければならず、その理由が、経営状況の悪化である場合又は正当なものと認められない場合には、対象会社は認定経営革新等支援機関から指導及び助言を受けて、当該書類にその内容を記載しなければならない。 (認定経営革新等支援機関の認定を受けている法人であれば対応可能となります。)
記事による意思決定は、様々な判断材料に基づいて行う必要があります。記事の内容を実行される場合には、専門科等に個別具体的にご相談の上、意思決定ください。本記事をそのまま実行されたことに伴い、直接・間接的な損害を蒙られたとしても、一切の責任は負いかねます。