沖縄ならではの投資「軍用地投資」を知っていますか?
「軍用地」とは米軍基地のことで、その基地のほとんどは、民間(個人や法人)から、国が借り上げて借地料を支払っています。その借地料は沖縄県全体で年間約1200億円に及びます。
沖縄の「軍用地」は誰でも売買できる
戦後、米軍の占領地となった土地は、所有者名義のまま強制的に米軍に差し出すことになりました。その後、返還され、現在では国が所有者から借り上げ、米軍もしくは自衛隊が使用しています。そのため、軍用地は誰でも売買できる「軍用地投資」として、不動産投資の一つとなっています。
沖縄の新聞の副読紙には軍用地の広告が掲載されています。軍用地というと特別な土地のように思われますが、日常から物件情報を目にすることができます。
軍用地は所有権として売買取引されています。通常の土地と同様で契約書もあり、重要事項説明も行われます。ただし、その土地を見ることも立ち入ることもできないのが特徴です。取引では航空写真で確認し、購入の際は防衛省と借地契約を締結し1年に1度、1年分まとめて借地料の支払いが行われます。
注目すべきは、借地料の値上がりです。地主会(地主の代表)が毎年必ず防衛省と値上げ交渉を行い、その値上げされた分の調整額の支払いも年に1度あるため、通常の借地料に加えて調整額の合計で2度の支払いが行われます。
値上がり幅は毎年変わる
借地料は平米あたりで決まっており、毎年7月末に借地料の支払い、毎年3月末には値上がり差額の支払いがあります。毎年わずかではありますが、必ず借地料が上昇しているのが現状です。
地主に配布される賃貸料要求額及び確定額推移表を確認すると、要求額に対してアップ率は最高で10%、直近では1%程度となっています。軍用地はマーケットが確立されており、いつでも換金が可能な環境にあります。
相場で売却するなら1週間以内に売却が可能で、相場より高く売りたい場合は時間がかかります。その時々で相場は変わります。
軍用地の取引基準は、利回りでなく「倍率」
軍用地の値付けは独特で年間の借地料に倍率※を掛けたものとなります。そのため「価格倍率○○倍」と表記されます。※軍用地情報には必ず倍率が表記されています。
年間借地料×倍率=軍用地の売買価格
買いたいという需要の多い土地は倍率が高く、買い手が少ない土地の倍率が低くなります。この差は軍用地のリスクである「返還」に関係します
倍率の高い場所…返還の見込みがない場所。例えば嘉手納飛行場など。
倍率の低い場所…返還の見込みがある場所。例えば普天間飛行場など。
一般的な不動産利回りで考えると、倍率が低いほど利回りが高く、倍率が高いほど利回りが低くなります。
軍用地である期間は賃料が発生しますが、「返還後」のことを考えた投資を実行する必要があります。
例えば、山の奥地で人が住まない場所だったり、航空地図で確認したら崖だったりと様々な条件があります。返還後は時間をかけて通常の街になるため、地形も大切な判断材料となります。
軍用地投資は相続対策になる!?
軍用地投資は手堅い運用と考えられており、国債や利回りの良い定期預金という感覚で購入する人が多いようです。業者も細かく分割し、求めやすい売買価格に設定(200万円程度から投資可能)した売り方をしています。
軍用地は固定資産税も安く、管理コストもかからないため、高額所得者は所得税対策として、ローンを組んで購入するケースもあります。
また、相続税控除額の法改正により、相続税対策としての軍用地投資も増加しています。
軍用地はタワーマンションのような管理費・修繕費、空室リスクもないため、より相続税対策向きといえます。しかし軍用地は限られた土地の取引となります。相続税対策で軍用地を購入したい需要は増えても、売り物は増えないため、倍率が上がっているのも事実です。
沖縄県に在住していなくても購入可能な軍用地投資、一度検討してみてはいかがでしょうか?