タックス・ヘイブンはTAX=税金、Haven=回避であることから、税金回避という意味です。
企業の本体、または子会社などを、産業が育ちにくく、税金を下げて国外の企業を誘致することに力を入れている国に置き、利子や配当に対する税金、法人税や所得税がゼロ、または極めて低い税率で運営するために使用されます。
代表的なタックス・ヘイブンはバハマ、バミューダ諸島、バージン諸島、ケイマン諸島、クック諸島、ドミニカ、マーシャル諸島、モナコなどですが、タックス・ヘイブンと呼ばれる国々はその他にも世界中に存在しています。
ポイントは、自国の税制を優遇し、他国からの企業を多く誘致することを目的としている点です。
日本では平成29年度税制改正において、外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン対策税制)の大幅な見直しが行われました。ペーパーカンパニーやキャッシュボックスと呼ばれる実体を伴わない会社に対しての規制を強化したものです。
2016年に「パナマ文書」でその存在が広く知られましたが、国際的にも規制強化が進んでいます。
理由は、本来、莫大な税収を得られるはずだった国々にとって、タックス・ヘイブンは税収減となってしまうためです。
一方で、税金の制度はその国の政府が自由に決定できることから、タックス・ヘイブンがどんな税率であろうと非難されるいわれはありません。
法人税や所得税などの税率が極めて低く抑えられるタックス・ヘイブン。その存在は法に触れるわけではなく、日本国内でも多くの企業が利用しているとされています。
グローバル化が加速している中、タックス・ヘイブンを利用する国内外の企業が増加傾向にありますが、その反面、規制リスクが強化されていることも注意を払う必要があります。
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