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経営

夏のウナギと冬のフグの融合!?事業戦略としてのM&A活用事例

夏のウナギと冬のフグ!?事業戦略としてのM&A活用事例

近年、M&Aの認識は高まっています。M&Aに対するイメージも大きく変わっているようです。

ひと昔前までは「経営責任の放棄ととられる」、「M&Aは大手企業間で行うことだ」、「敵対的買収」など行動を起こす前に、感情的にM&Aを避けてしまうケースが多くありました。

一方で、2025年には国内の127万社が後継者不足で廃業の危機となり、内60万社は黒字廃業の予想など、耳にする機会が増えてきました。国内の66%の企業が後継者不在であるともいわれています。

また同時に、M&Aに対するイメージも、以前に比べて事業戦略としてのM&A活用など前向きな認識も広がってきています。

一言に「事業戦略としてのM&A活用」と言われてもなかなかイメージしにくいものです。

ここでは、事業戦略としてのM&Aを活用した事例を1つ紹介します。

夏のウナギと冬のフグの融合!?(季節の補完シナジー)

A社は伝統的なフグの食品加工卸業を経営しており、通信販売業者を中心に優良な取引先を有して、高利益率、無借金経営を継続していました。社長には2人の娘が会社を継ぐ意思がなかったこと、会社をさらに発展させていとの思いから、譲渡することを決断しました。一方、B社は伝統的なウナギの食品加工卸業を経営しており、ウナギの価格高騰や、夏季と冬季の売上が不安定であることなどから、会社の成長を強化するためには年間を通した安定収益を生み出すことを望んでいました。

A社とB社の両社社長は面談当初から互いの経営方針が一致し、両者が扱う商材の繁忙シーズンなどが異なること(フグ→冬、ウナギ→夏)も合致したことで事業戦略としてのM&Aの決断に至りました。

このように、最近では、事業拡大のためのM&Aや、既存会社に足りなかったものを補完するM&A、会社名の存続や従業員を守るためのM&Aなど、様々なニーズに沿ったM&A事例が拡大しています。

日本企業の伝統と技術を存続させるためにも、事業戦略としてのM&A活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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